【会社倒産寸前で気づいた】自分が変われば人が変わる【体験談】
僕にとって衝撃的な事が起こりました。
そう、会社が倒産しそうになったんです。
美容師でもないのに美容室開業
僕は、24年前。28歳の時に美容室をやりたいと思いました。
ある美容師さんと出会がきっかけでした。
その人は、毎日、楽しそうに仕事をしていました。
キラキラ輝いていました。
美容のことを、スタッフのことを、お客様の事を本当に楽しそうに話すんです。
その方に出会って、「バチン!」僕の心のスイッチが入りました。
「この人のようにお客様を綺麗にしたい。スタッフを幸せにしたい。」
そんな素敵な職業をやりたくてやりたくて、しようがなくなったんです。
そして、30歳の時に美容室をオープンしました。
欠点を指摘する経営者
でも、オープンして5年後、そんな気持ちは無くなってしまっていました。
僕は経営者ですが美容師ではありません。
スタッフの気持ちをわかろうとしませんでした。
欠点を見つけては、指摘をしていました。
「お前さー!技術の練習は良いけれど、接客のトレーニングしないの?」
とか、
「そんな指名売上と人数で恥ずかしくないの?」
そんなことばかり言う経営者になってしまっていました。
そのせいで、スタッフの心はドンドン僕から離れて行きました。
気づいたときには12人いたスタッフが、半分近い7人になり
月、960万円だった売上が320万円
まで下がってしまったんです。
鍵山秀三郎さんとの出会い
「このままじゃ、やばい!売上を回復させなければ倒産する!どうすれば良いんだ!」
僕は、藁をむつかむ思いで売上を回復させるヒントを掴むために、片っ端からインターネットであちこちのセミナーや研修を探して参加しました。
がむしゃらに……。
そして、ある講演会で出会ったんです。
イエローハットの創業者、鍵山秀三郎さんに…。
「人に押されたら、返さないで押されっぱなしでいなさい。人に嫌なことをされたらされっぱなしでいなさい。
決して、仕返しなんか考えてはいけません。
自分の中で消化するのです。
そうしたらあなたが、世の中が良くなります。」
そんな話をされる方でした。
僕は衝撃を受けました。
「こんな素晴らしい人が世の中にはいたんだ。この人は、自分のことをさし置いて人が幸せになることばかり考えている。。」
「僕もこんな人になりたい!」
そう思いました。
それまで僕は、何か問題が起こるごとに店長のせい、スタッフのせい
ときには、お客様のせいにしていたんです。
鍵山さんに会い、はじめて
「僕が悪かったんだ。」
それに気づきました。
「変わろう!」
そう決めました。
僕は、直ぐに、鍵山さんが主催するNPO法人『日本を美しくする会』に電話をして、「僕も掃除をさせてください!鍵山さんに近づきたいんです。」
入会をすることにしました。
歌舞伎町の街頭清掃
それから僕は、日本を美しくする会主催の『歌舞伎町の街頭清掃』に参加しました。
それは、月に一度、朝5時半から6時半まで150人から200人で行います。
当時の歌舞伎町匂いがひどくて、空気が澱んでいました。
街頭清掃は、空き缶やタバコの吸い殻を拾ったりします。
特に匂いの元となるのが、ドブ!
ここの、ヘドロをすくい取って捨てる作業をします。
でも、危なくて手を入れられないんです。
なぜだと思います?
注射器や注射バリがドブの中に入っているからです。
他にも、空の財布やパスポート、キャッシュカードやクレジットカード
そんな物が、ヘドロに混じっているんです。
『犯罪の街』
そんな言葉がぴったりの場所でした。
僕らは歌舞伎町を綺麗にしようと掃除をするのですが
綺麗になりません。
掃除のスピードよりも汚すスピードの方が早いのです。
1年間続けましたが、歌舞伎町が全く変わりませんでした。
困った、僕らは鍵山さんにアドバイスをもらいに行きました。
「鍵山さん、歌舞伎町が全く変わらないのですがどうすれば宜しいでしょうか?」
鍵山さんは言いました。
「3年は続けてください。3年間行えば必ず変わります!」
と
「わかりました。」
僕らは
「よし頑張ろう!歌舞伎町から匂いを無くそう!澄んだ空気を取り戻そう!犯罪を無くすんだ!」
僕たちは諦めずに、続けました。
それから1年位経ったころでしょうか。その瞬間が来ました。
いつものように臭く、淀んだ空気でした。
そして、いつもの様に掃除をしました。
でも、そうじが終わる頃に誰かが言いました。
「あれ?匂いが無くなってない?」
「本当だ、ていうか空気が澄んでるよね」
そう、歌舞伎町が変わった瞬間でした…。
そこにいる方、全てがそれに気付きました。
「やった…。やった…。」
声にならない声で周りの世話人は泣いていました。
僕も涙が溢れて来ました。
「諦めずに行って良かった。」
そう、思えた瞬間でした。
掃除を通じての気づき
そして、僕は街頭清掃をすることで、自分を見つめ直し、気付きました。
- 僕は、スタッフに指示を出すばかりで、自分から何もやってなかった
- 自分を変えようとせず、スタッフをかえようとしていた……。
って
そして、翌日から事務所のトイレ掃除、店のトイレ掃除、最寄りの駅の街頭清掃を1人で行いました。
掃除を通して、
- 1️⃣感謝の心
- 2️⃣気づく心
- 3️⃣思いやりの心が芽生えていました。
以前は、欠点を指摘ばかりしていた僕が
「君は、そのままで良いんだよ」
承認を始めました。
「今日も来てくれてありがとう」
「きみがうちの会社にいてくれて嬉しいよ」
斎藤さんの笑顔って本当素敵だよねー」
自分が変われば他人が変わる
そんな事を1年位続けた頃でしょうか。一番素っ気なかった店長から、メールが届きました。
「内海さん、僕たちも一緒に掃除をさせてください。」
と書いてありました
「えっ!嘘だろ?」
僕は驚きながら、何度も何度もメールを読み返しました!
そして、嬉しくなりドキドキしながら直ぐに返信をしました。
「もちろん!一緒に掃除をしよう!」
それが、店が変わった瞬間でした。
そう、自分が変われば、人が変わる。
そこからスタッフが明るく働くようになり
明るく働くようになると、お客様が増えてきて
そして新しいスタッフも入社し、売上も回復しました。
誕生日サプライズ
ある日、地下鉄で家へ帰ろうと改札から、ホームへの階段を降り、電車に乗ろうとした時です。
階段の陰に隠れていたスタッフ達が いきなりホームに現れたんです。
そして、声を揃えて
「 内海さん‼ お誕生日おめでとうございます(^O^)/」
とっても大きなケーキが出てきたんです。
そして、
「Happy Birthday to you~‼」
僕は、おめでとうと書いてあるのタスキをかけられ
「Happy Birthday to you~‼」
僕の頭に、とんがり帽子をかぶせてくれて
「Happy Birthday Dear~ 内海さん‼」
両手に、大きなケーキを持たされました。
「Happy Birthday to you〜‼️」
スタッフに背中を押されて電車に乗せられました!
後ろで、「プシュー」電車の扉が閉まりました。
僕は何が何だかわからないまま、ケーキを持たされ電車に乗らされたのです。
乗客の方が失笑しながらも、「ぱちぱち」と小さく拍手をしてくれました。
電車のドアの外を見ると、スタッフ達が僕を指さしながら爆笑していました。
僕は何をされているのかわかりませんでした。
少し落ち着いてきたときにそれがスタッフ達のお祝いの気持ちと気づきうれしくなりました。
でも、恥ずかしいので一旦次の駅で降りました(笑)
それが、スタッフと僕のココロが繋がった瞬間でした。
そう、『自分が変われば、人が変わる。』