良い美容師を採用する方法、それは社長が変わることです【他の業界も同じです】

ビジネス 経営

美容室の経営者「美容師が採用できない…。 待遇は良いはずだし、求人にもかなりお金をかけている。しかし、優秀な美容師が全然採用できない…。たまに、応募があってもうちに合いそうもない。人がが足りないから入れるけどすぐに辞めてしまう。なんでうちにはいい美容師がこないんだろう....。」

こういった疑問に答えます。

 本記事の内容

  • 優秀な美容師を採用が出来ない理由
  • 優秀な美容師を採用をする為のやるべきこととは
  • 美容師に対する完全なNG行動【3選】

僕が、美容室の経営を始めた1998年頃は、優秀な美容師さんが採用できていました。

その頃の年代と現代を比較して、”美容師業界の変遷と採用方法”を考察しました。

あくまでも自分の経験と、周りの美容室経営者を見てきた中での記事になりますので、記事に偏りがあるかもしれません。でも、全ての経営者に当てはまる正しい回答などはないと思います。

23年間、経営してきた中で、お伝えすることです。参考になれば幸いです。

優秀な美容師が採用が出来ない理由

理由はシンプルで、”あなたの会社(美容室)を選ぶ理由がないから”です。

優秀な美容師は圧倒的に美容室の数に対して美容師の人数が少ないのです。完全に売り手市場です。一部の美容室を除いて、選べる立場にあります。

優秀な美容師が選ぶ会社とは

僕の周りの優秀な美容師さんと話した結果、次の四択から選ぶ傾向です。

  • 学生:大手サロン → 安定してそうだから。
  • 学生 : 都内や地方の有名サロン
  • アシスタント~スタイリストデビュー:都内中心部の有名サロン
  • 売れてきたスタイリスト:フリーランス→独立

残念がら、、、上記が結論です。
なので、基本的に普通の美容室だと”優秀な美容師は”は雇えません。

優秀な美容師を採用をする為のやるべきこととは

結論として、社長が変わるしかありません

  • 社長が魅力的で、熱い理念や大きなビジョンを持ち、美容師さんを共感させられる
  • お客様で溢れていて、しっかりと利益が出ていること
  • 本気の独立サポート制度があること(偽りのない)

高い給与では優秀な美容師さんを採用できなくなっている。

  • 安定して長く勤められる美容室を探している
  • 将来独立を目指している。そのための美容室を探している。

優秀な美容師さんは、この2つのうちどちらかを考えています。

給与の高さや待遇を求めてくる美容師さんもいます。しかし、優秀ではなかったりまします…。

優秀な美容師さんは”求人サイト”から採用できない

なかなか…。

優秀な美容師さんは引く手あまたです。
なので、基本的に求人サイトを使わなくてもお誘いがたくさん来ます。

なので、求人サイトを使うのではなく、自社採用を頑張らないといけません。

誇りを持って働いてもらうことが採用につながる

一番良い採用方法は、働いてもらっているスタッフさんからの紹介でしょう。

こんなシチュエーションです。

「○○さん、今働いているお店辞めるんだって?うちの会社(店)来ない?社長が熱い人だし、スタッフもホント仲いいし、どんどん成長できる環境なんだよ!」

みたいな感じで。

美容師さんは横のつながり、つまり美容師さん同士のネットワークを持っています。今働いているスタッフさんが、あなたの会社に満足していて、誇りを持って働いているのなら知り合いの美容師さんにこのように話すはずです。

ちなみに、うちの会社は半分以上は紹介で入社したスタッフです。

凄く優秀かといわれるとそこまでではないのかもしれません。しかし、人柄もよいし、そこそこ売れる美容師です。

紹介で面接に来る人に”残念な人材”は来ません。 ある程度良い人材が面接に来ます。うちのスタッフも 残念な人を紹介しないからです。

ですから、働いているスタッフにいかに満足してもらい、誇りを持って働いてもらえるようにするのが社長の仕事なのです。

これは一朝一夕にできることではありません。うちの会社も10年以上かかりました。

誇りを持って働いてもらうための三つの項目

上記でも記しましたが

  • ① 社長が魅力的で、熱い理念や大きなビジョンを持ち、美容師さんを共感させられる
  • ②お客様で溢れていて、しっかりと利益が出ていること
  • ③本気の独立サポート制度があること(偽りのない)

この三つについて解説してきます。

① 社長が魅力的で、熱い理念や大きなビジョンを持ち、美容師さんを共感させられる

美容師さんの共感を得るためには、大義名分が必要です。

  • スタッフさんの成長と幸せを応援する会社
  • たくさんのお客様を、ヘアを通じて豊かになってもらうこと
  • 美容室から社会から、いじめ、差別、虐待をなくすことを目的としている

などをしっかりと打ち出し、定着させることが重要です。

②お客様で溢れていて、しっかりと利益が出ていること

お店が閑散として、売上利益が出ていない会社は、いくらきれいごとを言ってもスタッフさんは誇りをもちません。繁盛するためにマーケティングと教育、両面で行う必要があります。

③本気の独立サポート制度があること(偽りのない)

独立サポートを謳っている美容室は多いのですが、実際にきちんとサポートできている所はほとんどありません。

会社にサポート構築するノウハウもありませんし、サポートする力もない。やめられると売り上げが下がるので、実際にサポート希望者として、手を上げても断るケースがほとんどだと思います。(採用のためのうたい文句になっています)

美容師に対する完全なNG行動【3選】

ここからは番外編です。

「美容師を採用したけど、、、みんなすぐに辞めていく…」という問題に対する回答をまとめます。

美容師に対するNG行動3選です。

  • ①指名がつかない美容師さんに技術の練習を促すこと
  • ②売れている美容師を優遇すること
  • ③バックルームでの陰口を容認すること

うちの会社で失敗したこと、コンサル先の美容室でオーナさんがやってしまいスタッフさんからクレームが起こった実例からお伝えします。

①:指名が少ないね。技術の練習をしなさい

指名が、少ないのには理由があります。もちろん技術的な要素もありますが、それだけではありません。

  • 技術力
  • デザイン力
  • 見た目
  • コミュニケーション能力
  • 提案力
  • 把握する能力
  • プレゼン力
  • 相性

などの要素があります。「技術の練習をしなさい」という社長は時代遅れも甚だしいです。30年前はこれで通りましたが、今は全く違います。

しかも、スタッフ全員が参加しているラインで、社長から「指名が少ないね。技術の練習をしなさい」と言われたスタッフはどう思いますかね。

「わかりました!頑張ります!」って思う人はいないと思います。もしかしたらラインの中でそう返す人もいるかもしれませんが、それは全く本心ではありません。むしろ社長に対して反感しか抱きません。

②: 売れているスタッフを優遇すること

会社に貢献してくれるスタッフは本当にありがたいのです。しかし、売れているスタッフを優遇すると、組織はうまく機能しなくなります。

組織というのは2:6:2に分かれます。モチベーションが高い2割、普通の2割、あまりやる気のない2割で構成されます。

中小企業の社長さんがやりがちなミスは、 モチベーションが高い2割 を優遇して、 あまりやる気のない2割 を放置したり、やめさせようとします。

これをやると、会社や社長に対してスタッフさんは疑心暗鬼になり組織全体のモチベーションダウン、売り上げダウンにつながります。

ですから、逆をやりましょう。 モチベーションが高い2割 は放っておいても頑張ります。 あまりやる気のない2割に積極的に声をかけることなのです。

やる気のないのには理由があります。なかなか指名がつかない、売上が上がらないなどの理由で、肩身の狭い思いをしています。それを隠すためにやる気がないように見せているスタッフもいます。

ですから、売れていないスタッフにこそ積極的に声をかけ、意識を向けることで成長するスタッフもいます。そして、組織の2:6:2の距離が近くなります。

③バックルームでの陰口を容認すること

美容室のオペレーションは、時間と矛盾との戦いなのです。それぞれの役割を持ったスタッフがいるので不満や、大きくなるととダブルになりかねません。

その問題をバックルームで愚痴ります。「あのお客様のカラーの時さー、あたしが、支持を出したアシスタントの○○さんがー、○○さんの仕事を優先してこっちの仕事やらないからカラーの入りがおかしくなったんだよねー」

のようなこと、美容室20万件で行われています。

これが、原因で組織がくずれオペレーションに問題が生じ、売上が下がります。

これを社長は放っておいてはいけないのです。

愚痴を言うことで、自らにダメージを与えること。そして、他のスタッフにも、お客様にも全く良いことがないことを解いていかなくてはなりません。

まとめ:美容師さんを採用できない会社は存続できない

美容業界は衰退しているが、しかし店舗数は増えています。

店舗数は24万件ほど、美容師さんの数は50万人を切っています。計算すると、一店舗当たりの数は2人になります。

人手不足はこれからもさらに悪化していくと思われます。美容師さんを採用できない会社は存続できない時代になると思います。